主にレ・ロマネスクをメインに

つれづれなるままに、レ・ロマネスクについて、あれこれ書き綴ります

『祝っていた』(楽曲)

 楽曲の概要

タイトル 作詞 作曲 時間 収録アルバム MV ストーリー性
祝っていた TOBI TOBI 2:45 レ・ロマテラピー あり
  • 呪うつもりが祝っていたというハッピーソング 
  • レ・ロマネスクの代表曲

歌詞

こんなはずじゃなかったよね......

 

憎いあいつを祝っていた
思いもかけず祝っていた
口へんに兄と書くところ間違えて
示すへんで祝っていた

 

毎日毎日 祝っていう字を
いっぱい書いていた
部屋中部屋中 祝っていう字で
あふれ返っていた
どうりでどうりで あいつに幸せ
続くと思ってた
あれほどあれほど 祝ったおかげよ
どうか忘れないで

一生懸命!精神統一!
今年の書き初め
「死ぬまで祝ってやる」と書いた

 

憎いあいつを祝っていた
ろうそくともして祝っていた
毎晩真夜中にひとりでこっそり
神社の裏で祝っていた

憎いあいつを祝っていた
長期にわたって祝っていた
大きな間違いに気づいた
ほんのついさっきまで祝っていた

 

長く長く 私の思いが
あいつに届くように
手紙を手紙を 卒業記念の
タイムカプセルに
漢字を漢字を 間違えたままで
22世紀まで
深く深く 地下に埋められた
私の祝い

絶体絶命!取出し不可能!
その手紙に
「末代まで祝ってやる」と書いた

 

憎いあいつを祝っていた
微笑み浮かべて祝っていた
思えば私の人生の半分以上は
あいつ祝っていた

憎いあいつを祝っていた
暇を見つけては祝っていた
うれしいとき 辛く悲しいとき 苦しいとき
晴れの日 雨の日 雪の日 風の日
いつでも いつでも 心の底から
あいつ祝っていた

所感

僕が初めて見たレ・ロマネスクのMVが『祝っていた』です。
レ・ロマネスクの楽曲の中で、YouTubeの再生回数が最も多く(2021年2月時点:68万回)、レ・ロマネスクを代表する曲と言っても過言ではありません。

軽快で覚えやすいメロディで何度聴いても飽きません。しかも、MVではTOBIさんによる振り付けも面白く、ついつい見入って観入って魅入ってしまいます。

歌詞・曲・振り付けともに最高レベルの楽曲です。

トゥーマッチな深読み

憎んだきっかけ

この曲の主人公(祝っていた人)が何をきっかけにあいつを憎むことになってしまったのか、気になります。
なにせ、人生の半分以上を「憎いあいつを祝う」時間に費やしていたわけです。

あの手この手を使って憎いあいつを祝うわけですが、その手段の1つとして、タイムカプセルに入れる手紙で祝っています。
「卒業記念のタイムカプセル」ということですが、中学生くらいになると、思春期をむかえていて、タイムカプセルではテンションが上がらない時期になっていますので、普通に考えると、小学校の卒業記念ということでしょう。
その小学生の時にタイムカプセルに書いた手紙に「末代まで祝ってやる」って書いてるわけですね。。。小学生の時点ですでに憎んでいて、しかも末代まで祝うほど(その人にとっては呪うほど)憎いって、果たして小学生の時に何があったんでしょうか。場合によっては幼稚園の時に何かがあったのか…。僕の子供はまだ2人とも小学校入学前の未就学児ですが、そんな憎しみを抱えているようには見えません。よく姉弟喧嘩をしますが、「死ぬまで」や「末代まで」どころか、5分後にはケロっとした顔で何事もなかったかのように仲良くしています。

小学生が「死ぬまで」「末代まで」「暇を見つけては」祝うくらい(その人にとっては呪うくらい)のきっかけって、どんなことがあったのか、気になって気になって気になって、夜しか眠れません。。。

ほんのついさっき大きな間違いに気づいたきっかけ

長年に渡って漢字を間違えたまま祝いまくっていたわけですが、ほんのついさっき大きな間違いに気づいてしまいました。それに気づいた時、どんな気持ちだったのでしょうか。

この主人公にとって、憎いあいつを祝うこと(その人的には呪うこと)は、もはや人生そのものです。毎日「祝」っていう字を書いてるし、部屋中「祝」っていう字であふれています。あふれるだけでなく、あふれ返っているほどです。この人にとって、あいつを祝うことは、生活の一部、習慣になっています。

それだけでは飽き足らず、「ろうそくをともし」たり、「真夜中にひとりでこっそり神社の裏」に行ったり…と、「呪う」”あるある”とも言える、わりとベタな呪いの手段にも手を染めています。

そこまで来ると、もう「祝」が間違っているなんて、思わないはずです。ゲシュタルト崩壊が跡形もないくらいに起きまくっているはずです。

では、何がきっかけで大きな間違いに気づいたのか…。。。

…それはこの歌詞の行間をいくらガン見しても、想像力を働かせまくっても真相には辿り着けませんでした。

ただ、大きな間違いに気づいた後に、
「どうりであいつに幸せ続くと思ってた」
「あれほど祝ったおかげよ どうか忘れないで」
と言っています。
この心理描写はなかなか深いです。

この主人公的には、人生をかけて、とにかく祝いまくってる(その人的には呪いまくってる)のに、憎いあいつが不幸になる様子は全くなく、むしろ、どんどん幸せが続いているわけです。にもかかわらず、暇を見つけては祝いまくって、人生の半分以上を費やしました。そんな中で、ふと突然冷静になって、「あれ!? 待てよ!?」と思ったのでしょうか。

それにしても、大きな間違いに気づいた時の落胆ぶり(?)は計り知れないものがありますが、それでも、「どうか忘れないで」と言ってるあたりは深すぎます。

人生の半分以上かけてあいつのことを憎く思っていたわけですが、逆に言うと、人生の大半、あいつのことを考えていたことになります。その結果、不覚にもそれなりに情が湧いてしまって、大きな間違いに気づいたことをきっかけに、何らかの悟りを開いて、「あれほど祝ったおかげよ どうか忘れないで」と思える境地に至ったのでしょうか。

この『祝っていた』という曲、歌詞をじっくり考えてみると、実に深く考えさせられます。

何らかの文学賞にノミネートされてもいいんじゃないかと思えるほど、密かに芸術性が高いかもしれません。

謎の試み

憎いあいつを呪いまくってるつもりが、実は漢字を間違えていたことで思いがけず祝ってしまっていて、しかも結果的にあいつが幸せになってしまっていました。

では、「もし仮に漢字を間違えていなかったらどんな歌になったのか?」を試みてみることにしました。「そんな試み、いらんねんっ!」っていう心の声も聴こえてきますが、あくまでも「謎の試み」ということでご了承ください。
(替え歌になりますが、原曲からの変更は最小限に留めています)

『呪っていた』

(変更箇所のみに変更しています)

こんなはずったよね……

 

憎いあいつをっていた
思い通りに呪っていた
口へんに兄と書くところ間違え
へんでっていた

 

毎日毎日 っていう字を
いっぱい書いていた
部屋中部屋中 っていう字で
あふれ返っていた
どうりでどうりで あいつに不幸が
続くと思ってた
あれほどあれほど ったおかげよ
どうか忘れないで

一生懸命!精神統一!
今年の書き初め
「死ぬまでってやる」と書いた

 

憎いあいつをっていた
ろうそくともしてっていた
毎晩真夜中にひとりでこっそり
神社の裏でっていた

憎いあいつをっていた
長期にわたってっていた
大きな間違いを犯さず
ほんのついさっきまでっていた

 

長く長く 私の思いが
あいつに届くように
手紙を手紙を 卒業記念の
タイムカプセルに
漢字を漢字を 間違えることなく
22世紀まで
深く深く 地下に埋められた
私の

成功!取出し不可能!
その手紙に
「末代までってやる」と書いた

 

憎いあいつをっていた
微笑み浮かべてっていた
思えば私の人生の半分以上は
あいつっていた

憎いあいつをっていた
暇を見つけてはっていた
うれしいとき 辛く悲しいとき 苦しいとき
晴れの日 雨の日 雪の日 風の日
いつでも いつでも 心の底から
あいつっていた


 ちなみに、メロディは『祝っていた』みたいなPOPな感じではなく、どんよりドヨドヨした、おどろおどろしい感じの、スローテンポなダークナンバーのイメージです。

『祝っていた』をベースに考えると、”呪いまくってるおかしな歌”ですが、『祝っていた』フィルターを通さずに、この歌詞だけを見ると、ただただ執念深く陰湿で、「どんな人生やねんっっっ!!」って思わずにはいられない負のオーラをまとった歌になります。

…そんな歌を、部首を少し間違えただけで、「口」を「示」に変えただけで、飛び跳ねるようなハッピーソングに変えてしまうのは、まさに芸術的です。

YouTubeのMV

『祝っていた』は、YouTubeで2つのバージョンが公開されています。

上がMV、下がライブバージョンになります。


祝っていた / レ・ロマネスク

 


祝っていた [生演奏] / レ・ロマネスク

 

シングルCDも発売されていますし、MP3でダウンロードもできますので、聴きまくってください。

祝っていた/蚊~~~/津の女

祝っていた/蚊~~~/津の女

 
祝っていた

祝っていた

  • 発売日: 2014/06/07
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

また、アルバム『レ・ロマテラピー』 にも収録されています。

レ・ロマテラピー

レ・ロマテラピー

 
レ・ロマテラピー

レ・ロマテラピー

  • 発売日: 2017/10/24
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

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